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グリーフセラピーと絵本「くまとやまねこ」

更新日:2021年8月14日




もう、2ヶ月近く前になりますが、6月21日(月)にグリーフセラピーの講座に参加しました。


グリーフとは、英語で(死別などによる)深い悲しみ。悲嘆。苦悩。嘆き。を意味します。


グリーフセラピーは、大切な人が亡くなったとき、悲しみと同時に認知が混乱したり、泣く、睡眠や食欲の障害、空腹感、のどのつかえなど様々な身体症状が現れている人に対し、寄り添い、個人のいない世界へ適応するための援助をすることです。


いろいろなカウンセリング技法を使うようですが、相手の思いを尊重し、その思いにそっと寄り添う姿勢が大切なようです。


悲しみから立ち直るまでの経過などの説明も有り、いざというときオロオロしないで済みそうです。


その中で、身近な人がそのような状況になったときの手助けとしては、寄り添っていくことが大切だと思いました。


講師の方が、寄り添い方をわかりやすく、絵本で説明してくれました。それは、文 湯本香樹実  絵 酒井駒子の「くまとやまねこ」(河出書房新社)でした。


その絵本を読んでいて、「親業」を知っていれば、こんなことを言わずにくまくんを助けられただろうと思う場面がありました。それは、次のようなセリフです。



仲良しの小鳥が死んで悲しんでいるくまに森の動物たちは

くまくん、ことりもう帰ってこないんた。つらいだろうけど、わすれなくちゃ。



つい、人は相手が悲しんでいると、同情したり、励ましたくなったり、アドバイスをしたくなったりします。何とか悲しみから抜け出させてあげたい、助けてあげたいと思っての言葉ですが、この言葉は、悩んでいる時に「相手が話すのをやめて心を閉ざしてしまう」可能性があるのです。「親業」では「12のおきまりの型」呼んでいます。


この言葉を聞いて、くまは家の扉に、中から鍵をかけてしまいます。


やはり、助けにならず、くまくんは心を閉ざしてしまいましたね。そして、しばらくひきこもります。


ある日しばらくぶりで外へ出たくまは旅をしているやまねこと出会います。そのやまねこのセリフにくまは驚きます。



きみは、このことりと、ほんとうになかがよかったんだね。ことりがしんでずいぶんさびしい思いをしてるんだろうね。



このセリフは「親業」では「能動的な聞き方」という気持を汲んであげる聞き方です。森の動物たちも初めからこう言っていれば、くまが閉じこもることもなかったかもしれません。

まあ、物語ですからね。でも、現実には、はじめから、やまねこのように能動的に聞くほうが相手の気持ちを傷つけるリスクが少ないと思います。


もし、言葉が見つからなければ、ただそばにいるだけでいいと講師の方はいっていました。

そういえば、受動的な聞き方に「黙る」というものあったっけ。

まあ、この辺はカウンセリングの基本のやり方とも言えますが。


とにかく、「12のおきまりの型」を知っていることは、相手を傷つけるリスクが少ないと言えるでしょう。



そのあと、やまねこのバイオリンの演奏を聞いたり、二人でことりを埋葬したり・・・・実はやまねこにも悲しい思い出がありそう?ですが(ちょっと、胸がキュンとしました)、二人で旅にでていくのです。


せつないけど、素敵なお話でした。もちろん、白黒の絵も良い雰囲気で、お話しを一層引き立てていたと感じます。



余談ですが、ウチのワンコは16歳、いつ逝ってもおかしくない年齢なので、心の準備、娘達の心のケアの準備ができました。











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